鍋の中は、白菜と豆腐だけ。


あんまり寒いので、妻が湯豆腐をしようということになった。寒いときは、やっぱり鍋に限りますね。で、妻は、湯豆腐だから、入れるのは白菜と豆腐だけにするね、と言った。そりゃ〜、湯豆腐なんだけど、白菜と豆腐だけって、ちょっと寂しくないかな。鶏肉くらい入っていても、いいじゃないか。と、心の中で思ったけど、妻には言わなかった。鍋がふつふつと騒ぎ出して、いよいよ夕食。鍋の蓋を取ると、やっぱり白菜と豆腐しかない。とってもシンプルでなんだか寂しいなあ、と思いつつ、鍋から湯を少量すくって小鉢に入れ、白菜と豆腐を適当に小鉢に入れ、かぼすポン酢掛けていただく。あっつあつの豆腐をはふはふしながら口に放り込む。ま、ただの豆腐なんだけど、サッとポン酢の酸味が効いて、醤油がキュッと味わいを引き締め、ほんの微かだけど、豆腐から昆布の味わいが感じられる。白菜もポン酢にからめながら、酸っぱいいんだけど却って白菜本来の甘みが引き出され、バクバクと食べることができる。本当に、白菜と豆腐だけなんだけど、サッパリとして、とってもおいしい。こりゃ〜、鶏肉があっても、椎茸があっても、そういう余計な味を生み出すものはないほうがいい。白菜と豆腐だけだから、こんなにおいしい。ぜひ、お試しください。白菜は、木津市にある八色市場の向かいの農協で買い求めたもの。豆腐は、もちろんスーパーではなく、近所の昔ながらの作り方でやっている豆腐屋さんで買い求めた。だから、しっかり大豆の味がする豆腐です。ポン酢は、これがおいしいかぼすポン酢。去年の秋に、大分からかぼすをドサッと送ってもらって、それを使って妻が作った。このかぼすポン酢がいままでになく最高においしい。それは、かぼすが黄色くなって完熟していたからだと妻が言う。かぼすって大体緑色の時に収穫してしまうんだけど、黄色の完熟は、刺々しさがなくってまろやかな味わい。ぜひお試しくださいったって、我が家にしかないからしょうがないねえ。ま、皆さん自身でお作りくださいな。湯豆腐が、すんごくおいしくなりますよ。あ、そうそう、鍋の昆布はできるだけ早く、引き出した方がいいですよ。味がにごるから。