「主治医はごまかせても、私の目はごまかせない」


病院の検査で、係の人にそういわれました。何の検査かというと、生理検査の中で、肺の機能を検査するもの。普通に呼吸をしているとき、思いっきり息を吸ったとき、息を吐き切ったとき、息を吐き出すときの勢い、などを測定します。で、この時に、「タバコを吸っていたでしょう」と係の人に言われたのです。私は、「ええ、2年前まで吸っていました」と答えた。係の人は「主治医はごまかせても、私の目はごまかされない」と、液晶モニターに表示されたグラフを見ながら、自信満々きっぱりと言い切ったのです。「どこで、それがわかるんですか」と私が尋ねると、「最後に息を吐き切るときの、勢いでわかるのよ」と言う。なるほどねえ。当たり前だけど、やっぱりタバコは、肺には良くない。それが、目に見えて判断できるということが、ことさらショックだった。だから、禁煙しなさいと口で言うより、こういう風に検査して、自分自身の肺の機能を目に見えるようにグラフなどで解説した方が、禁煙する人が増えるのではないだろうか、と思ってしまった。そんなわけで、私の禁煙も来月で2年になる。30年くらい前は、5キロほど走った後でタバコを吸うと、なんてタバコがおいしいのだろうか、と感激したものだが、お馬鹿な行為だったんだな。でも、今の世の中は、タバコ以上に、自動車の排ガスや、工場の排煙、さらには様々な植物の花粉、中国から飛んでくる黄砂や微粒子状物質PM2.5などなどに大気が汚染されているから大変だよね。この天気で桜の花びらが吹き飛ばされてしまった。それでも、散る桜は美しい。やがて、桜の木々は鮮やかな青葉に包まれることでしょう。