椎茸の原木栽培と菌床栽培。


椎茸って、原木栽培ばかりだと思っていたけど、近年は菌床栽培が普及しているらしい。原木栽培というのは、ナラやクヌギの木に椎茸の菌を植え付け、半年から1年以上をかけて栽培する。昔は、そんな椎茸ばかりだった。

しかし、今は、おが屑や綿がらにフスマや米ぬかなどの人工的な栄養剤を混ぜ固めたものに、椎茸の菌を植え、3〜4カ月栽培して収穫する方法の菌床栽培が普及している。小売店で売られているエノキダケ、しめじ、マイタケもこのような栽培方法なので、誰もがご存知かと思う。だから、椎茸も短期間で大量生産ができるので、安い価格で販売できるわけだ。

だから最近の椎茸って、昔の椎茸より風味も香りも味わいも格段に劣っている。そんな菌床栽培の椎茸だから少しもおいしさを感じないんですね。

ところが、菌床栽培の椎茸で、この菌床が中国で作られて日本に輸入され、日本国内で栽培されて出荷されているものがあるらしいんです。そして菌床が中国で作られているにも関わらず、日本で栽培し出荷されるとスーパーの店頭では「国産菌床しいたけ」と書かれて売られている。これって微妙だけど、原産産地の擬装ですね。

こんな椎茸が、結構いろんなスーパーで堂々と売られているから、日本ていうのは不思議な国ですね。ま、私たち日本人の味覚が衰えて、椎茸のおいしさが区別できなくなったことも悪いんでしょうけど。スーパーに行ったら、表示をしっかりチェックしましょうね。私はスーパーでは買いません。道の駅か、農家の直売所で買うことにしますから。でも、いったい日本のどこで、中国からの菌床を栽培しているんだろうね。


田舎にこそ、美味いものあり。

はい、月ヶ瀬梅渓に行ったことを書いた、昨日のブログの続きです。名勝の地に、美味いものなし、なんて書きましたが、本当に美味いものががあったんですね。うれしい、よかった、旨かった、感動、なんです。

なにがおいしかったかというと、それは椎茸。月ヶ瀬の梅林も概ね見たし、さあ帰ろうかということで、登り来た道を引き返す。その途中に、椎茸製造元直売所という看板が、妻は目に入ったらしい。あそこへ行きたいと妻が。その建物は普通の農家の民家。恐縮しながら中に入ると、テーブルが出て、5〜6人の観光客が座っている。休憩所?横を見ると、パックに入った椎茸が並んでいる。そうか、ここで売っているんだ。

その椎茸、原木椎茸と書いてあり、肉厚で値段もそれなりに。しかし見事な大きさだ。とっても、おいしそうだったので、1500円のを買った。そこへ、ぷ〜んと椎茸の香り。どうぞ、食べていってくださいと言う。おばあさんが、電気の鍋で椎茸を焼いている。本当に、椎茸のいい匂いがする。妻と一緒に、4切れほどいただいた。まず、何もつけず、焼き椎茸をほおばる。肉厚でシコシコしている。噛めば噛むほど、椎茸の旨みがじんわり。アッツアツだから、最高のおいしさ。次に、ポン酢で食べる。やっぱりというか、う〜ん旨い。椎茸って、こんなにおいしかったけ。

大分にいたときも、大分の名産は椎茸。見事などんこ椎茸なんだけど、干してある。だから、生のものは味わえなかった。でも、この月ヶ瀬で、生の原木椎茸を焼いて食べると、いままで食べていた椎茸は、本当にカスのようにおもえる。月ヶ瀬の椎茸は、まず生である。乾燥させると、アミノ酸とかが増幅して旨味も増すんだけれど、この生の椎茸は、しっかりと旨味が中に入っている。いや〜、おいしいんですね。私たちは、2切れずつ食べて、その場を離れたんだけど、椎茸の旨味がいつまでも口の中に残っています。いい余韻です。久々に、本当のおいしいを実感しました。買って良かった、椎茸を。

で、そのお宅を出た後、土産物屋さんで、草餅を売っている。これも、買わなきゃの一品、うちのお隣さんが、月ヶ瀬の草餅はおいしいと妻が聞いた。だから、お土産用に5個500円を買って、焼いたアツアツの草餅を1個テイクアウト。よもぎの香りがぷ〜んとして、いや〜これもおいしい。本当に、田舎にこそ、美味いものありですね。

ところで、買った椎茸は、原木椎茸と表示されていました。私だって、椎茸は、木に菌を植え付けて、そこから椎茸が生えるってことは知っています。ところが、原木でない椎茸もあるそうな。だから、スーパーの椎茸は、国産って言ってるけど、おいしくない。そんなカラクリがあったんですね。