バキンと取れた、クルマのドアノブ。


先日、妻が車に乗ろうとして、いつものようにドアノブを引っ張ったら、なんとバキッと取れちゃった。フラップタイプのぺこんぺこんと下から手を差し込んで手前に軽く引っ張る方式なので、バキッと音が鳴ったときは何かと思った。で、カランカランとドアノブの残骸が転がった。取り上げてみると、あれっ、金属ではない。強化プラスティックのようなものだった。なんと、ちゃっちい。このクルマはほぼ10年乗っている。走行距離は9万切ろ。故障もないし。私たちは大変気に入っていたのだ。そろそろ買い換えだし、また次もこの車種にしようかと。ところが、これである。強化プラスティックは10年ほどの耐久性はないのかもしれない。エンジンや足回りは丈夫で、それこそあと10年だって走れそうだ。その期待を裏切るドアノブのバキン。ドアノブをもっと強化してよ。でも、やっぱりダイハツのムーヴはもう買ってあげない。ドアが開けにくいよう。でもダイハツに行く気もない。怒っているんだから。ムーヴ、お気に入りだったのになあ。

今は、トマトがおいしいね。


サラダの中に真っ赤なトマトが映える。この時期になってくると、スーパーの野菜売場に行っても、トマトがすごく鮮やかだ。私はトマトが大好き。子どもの頃はこの時期になると母は好んで食卓にトマトを用意してくれた。あんまり丸かじりしたことはない。よく冷えてスライスしたものがおいしかった。そう。暑い夏に向かうこのくらいの季節だったと思う。しかし、今日ではトマトは一年中出回っている。キュウリだってナスだって、一年中売っている。季節感がなくなったねえ。でもね、やっぱりトマトがおいしいのは、今なんだ。最近のトマトを食べる度に、おいしいと感じる。だんだんとおいしくなってきた。味わいが濃くなって、甘さが増しているのだ。ま、私としてはもちょっと酸味が強くってもいいのだけれど。要は、ああトマトを食べている、やっぱりトマトはこの味だ、と言えるようなトマトが好き。つまり、トマトは今が旬。いつの間にか野菜の旬を忘れそうになるけど、本当にトマトは今が一番おいしいのだ。

びっしりと睡蓮。


近所の池の端っこの方だけど、この季節になると睡蓮がびっしりとはびこってくる。モネの睡蓮のように、睡蓮が3、水面が7くらいの割合なら涼しげに見えるんだけど、これ程まで水面を埋め尽くしていると、逆に暑っ苦しく感じるぞ。ま、彼らに罪はないのだけど。雨が降って、葉っぱの上を蛙がピョンピョンと跳びはねてくれると面白いのに。ま、これだけ繁っていても、冬になったらいつの間にか消えているんだから不思議なものだ。とにかく、夏なんですねえ。

ミニホタテとえびの炒め物。


なんてことはないありふれたおかずです。ミニホタテはパックから出すだけ。えびはパリンと皮をむいて下ごしらえが始まります。妻はえびをパリンとむく度に、足下を気にする。まだまだ、長年染みついた癖はなおりませんねえ。パリンと音がすれば、あっというまに猫の殿は下ごしらえをする妻の足下にまとわりついて、絶対に離れない。カラダをびろ〜んと伸ばしては、下からは見えないのにシンク横のまな板に前脚を伸ばして、どこかにあるエビを捕ろうとしている。さらに大好きなホタテもある。しかし殿はもういない。今日は殿が逝ってから、ちょうど一ヵ月。あっという間に時間は過ぎます。殿との思い出はもう増えることはありません。だからこそ、思い出をいつまでも大切に。私と妻との食事のひとときです。殿〜、テーブルにおいで。えびとホタテがあるよ〜。

夏色。


廊下からリビングへの入口の暖簾を掛け替えました。妻がさをり織りでせっせと織り上げたものを、カタコトカタコトとミシンを踏んで。おっと、もう踏んで動かすミシンなんてありませんねえ。子どもの頃に、母がシンガーのミシンを使っていて、ミシンを踏むと大きな車輪のようなものがクルクルまわって、その車輪を通した革のひもが上のミシン台に動きを伝える。するとガチャガチャとミシンの針が上下に小気味よく動き出す、というものだった。もう今はそんなのないね。妻は今のミシンで、あっ、針折れた、とか苦戦しながら、上の引っかけ部分に布を重ね合わせて暖簾ができあがった。ブルーを基調にした、さをり織り独特の色使い。ま、すべて色は妻が選んだのだが、さすが夏色、とても涼しげだ。これだけで、部屋の中が模様替えした気分になるから不思議だねえ。

ぺたこん、ぺたこん。


妻が言う。夫婦揃って、ぺたこん、ぺたこん、そんな風に歩いているね、と。ちょっと近所まで、久しぶりに夫婦で買い物に出掛けた。歩いて5分くらいの距離だけど。妻は膝が悪くって、あんまり早く歩けない。ところが私も脚の痺れるような痛みで、妻同様に早く歩けない。確かに妻の言うとおりだ。ぺたこん、ぺたこん。私も妻も揃って、ぺたこん、ぺたこん。帰り道は私が買物が半分入ったカゴを持ち、妻は残り半分を入れた買物袋を持ちながら、ぺたこん、ぺたこん。マンションに帰ってからも、その言葉が響く。もう妻と二人っきりだけど、どこまでも一緒に、ぺたこん、ぺたこん。

梅雨の晴れ間。


今日は雨だけど、昨日のことだった。南の空を見ていると、もこもこと雲が沸き上がっている。夏らしい雲。入道雲に育つかねえ。なんて思って、よーく見ると航空機が飛んでいる。まるで雲に追い立てられ、逃げるように飛んでいる。たぶん東京方面から飛来して、伊丹に着陸するするんだろう。でっかい飛行機が、入道雲の前ではちっちゃく見える。翻弄されているように見える。優雅には見えない。必死に見える。あと、数分の辛抱だろうね。無事に着陸しろよ。