ぺたこん、ぺたこん。


妻が言う。夫婦揃って、ぺたこん、ぺたこん、そんな風に歩いているね、と。ちょっと近所まで、久しぶりに夫婦で買い物に出掛けた。歩いて5分くらいの距離だけど。妻は膝が悪くって、あんまり早く歩けない。ところが私も脚の痺れるような痛みで、妻同様に早く歩けない。確かに妻の言うとおりだ。ぺたこん、ぺたこん。私も妻も揃って、ぺたこん、ぺたこん。帰り道は私が買物が半分入ったカゴを持ち、妻は残り半分を入れた買物袋を持ちながら、ぺたこん、ぺたこん。マンションに帰ってからも、その言葉が響く。もう妻と二人っきりだけど、どこまでも一緒に、ぺたこん、ぺたこん。