母が亡くなって、4年が過ぎて。


今日は父と一緒に、お墓参りに行ってきました。奈良に帰って5年、ということは、帰ってから1年ちょっとで母が亡くなったことになる。間に合ったと言うことですね。88歳だった。女性の平均寿命が86.35歳だから、長寿ってわけではないけど、私から見ればしっかり生きた一生だったなあと思う。父親にとっては、なんでも俺の言うことを良く聞いてくれたお母ちゃんだった、と言うけれど。母の晩年は、結構、長年の胸の内に溜まったことをさらけ出してもいた。私の友達がこんなことを言っていた。その友達は、父宅の処理やマンション購入などに関わってくれていて、なにかと父親たちの要求に応えてくれていた。で、あるとき、父と母とその友人たちと食事をしたことがあったらしい。その時に母親は父もいる前で友達に、ようこの人にどつかれましてん、と突然しゃべり出したという。そう、私の子供の頃は、父親はよく母や私に対して暴力を振るっていた。いわゆるDVだ。ところがそれは、私が小学校の2年3年くらいになると、ウソのように消えてしまった。だから、私はそんなことも忘れていたんだが。でも、母親にとっては胸の中にしっかりとしまい込まれて、決して忘れることはできなかったのか。そしていつかは、その嫌な思い出を吐き出してすっきりしたかったのだろう。友達曰く、その時の父の表情は消えてしまいたいような困ったな顔をしていたそうな。また、最後の年の入院時にも、母はたびたび妻だけがいるときに、お父ちゃんにようどつかれましてん、と言ったという。確かに、どうしても言っておきたかったこと、ってあるよね。慕うことなら、思いの丈、なんだけど、こういうのって、なんていうんだろう。母も晩年は父に大事にされていたが、それでも胸の中にたまっていたものもすっきりと出すことができて、気持ち良く生きたんだと思う。まあ、嫌なことなど、なければないにこしたことはないんだけど。できるだけ、いつも楽しく、気持ち良く。そうありたい、ねっ。