平城宮跡を舗装しようなんて、バカな考えはやめて。


昨日は久しぶりに陸との散歩で、平城宮跡に行ってきました。ここはタダの原っぱが多くって、草花がほぼ勝手に茂って、いい感じなんです。なんとなく、のんびりできるというか、くつろげるというか。こんなところに、1302年前に都があったなんて信じられませんねえ。なんて、決して思いません。ここを都にするには、それなりのワケがあったのです。ここに都を作ろうと言い出して実行したのは藤原不比等さんですよね。お会いしたことはもちろんありませんが、不比等さん、あなたはえらい。さすがに先見の明があります。この場所、平城京の前は藤原京でしたよね。藤原京というのは、確かに中国の都を参考にして造ったんですが、ただ真似ただけで、少しも実情にあった、住みやすさというか、仕事のしやすさが、なかったんですね。中国の都、長安は、東北西に山があって、南が開放されていて、たとえば、小川が北から南に流れるような場所がいいんですよ。ほら、南向きの緩やかな傾斜地なら日当たり良好で、そんな住宅地に人気がありますよね。都だってそれと同じなんです。などということを、つらつら書いていこうかなと思っていたんですが、ちょっと驚くべきことがあったのです。平城宮跡で。陸と、大極殿をバックに写真などを撮りながら、大極殿の南側に来ると、その前の広々とスペースが、囲いに覆われている。なんか、工事でもしそうな雰囲気です。こんな広い場所を、フェンスで囲ってどうするんだと思っていたんです。そうでなくても、2年目の遷都1300年祭では、草で覆われた原っぱが、無惨にもコンクリートアスファルトの下敷きになったのです。祭りの時は、かわいそうに毎年顔を出していた土筆やレンゲの花は、重いアスファルトの下敷きになったのです。未だに、駐車場になったままの原っぱ跡もあります。さて、なんで、大極殿の南を囲いで覆ってあるかというと、なんとその囲いの場所を舗装するのだそうです。なにい〜、また舗装だと〜。家に帰って、新聞を調べると載っていました。工事は「大極殿を真正面に見据え、往時の広がりを体感しながらアプローチできる」ことを目指し、9月25日に着工。なんと、もう工事が始まっているではないですか。歩きやすくするために、東西210メートル、南北260メートルのスペースを全面舗装する必要があるのでしょうか。で、またこの場所は、第一次朝堂院があった場所なんです。もうこれ以上、人間の身勝手で、大地をアスファルトで覆うのはやめなさい。夏なんて、照り返しが暑いだけです。バカなことを考えますね、国土交通省は。で、なんと奈良県知事の荒井さんは、問題はない、と言っているそうです。まったく、そんな人を知事にしたのは誰ですか。ま、そんなわけで、愚かなことはやめてください。このままでいいんです。原っぱの方が、気持ち良くっていいんですよ。それより、その前を走っている近鉄電車を地下に埋めませんか。大極殿朱雀門の間を、電車が通過するっておかしすぎる。みっともないと思いませんか、奈良の人。私も奈良の人ですが、変だと思います。近鉄電車を、地下化しましょう。その方が、すっきりしていいんですよ。ついでに西大寺の駅も地下にして、さらについでに、尼ヶ辻駅、西の京駅も地下にするといいんです。世界遺産薬師寺の真横を電車が走るって、これも変でしょ。おっと、言っておきますが、平城宮跡世界遺産なんですよ。