大変だ〜。殿が、逃げた。


今日は、午前中から父を病院に連れて行き、その後で父と私たち夫婦は昼食をすませ、父をマンションに送り届けた。そして、私たちは自宅に帰り、車庫にクルマを入れた。私はクルマのエンジンを切り、妻は車から降りてガレージのフェンスをしめた。その時、妻が、庭から陸の息づかいが聞こえるという。で、さらに、和室の網戸が外れて開いている。あわてて、妻は家の中に入った。家中を探して、やっぱり殿がいない、と言う。直ぐさま、妻の怒った大きな声が響く。陸、どうして網戸を開けたの?誰が、開けていいといったの。殿は、どこへ行ったの。畳み掛けるように、陸に怒っている。陸は、暑かったのだ。そして、庭に出たがったのだ。いつも、私たちが外出するときは、気温が上がらないようにすべてを閉めきらないでおく。この日は、台風の影響で、そんなに気温が上がらないだろうと判断して、エアコンも入れずに出かけた。それが失敗だった。陸は、網戸の前の防御用ベニヤ板を引きずり出し、網戸をガタガタとはずして外に出たんだろう。殿は、開けっ放しになった戸口から、これ幸いと冒険に出た。ただ、家の前の道路は、しょっちゅう車が行き交う。車にはねられたら、という心配がまず頭に浮かぶ。直ぐさま、私たちは殿を探しに近所を歩き回った。時刻は午後2時過ぎ。通常ならば気温の高いこの時間は、殿は惰眠をむさぼっている。殿が、脱出してから1時間以上経過しているとするなら、きっと何処かの木陰で寝込んでいるはずだ。特に、車の下なんかがね。1時間ほど、ほぼ100メートルくらいの住宅街見て回ったが、全く気配がない。もう、しようがない。待つことに。逃げた戸口のガラス戸、さらに玄関も50センチほど開けておく。

午後4時過ぎくらいに、雨が強く降り出した。妻が洗濯物を取り入れて、2階から降りると、殿は台所にいた。いつの間にか、玄関から帰ってきたようだ。ふ〜う、う。ホッとしました。殿、どこへ行って来たの。と、聞いても答えない。やれやれ。ま、みんな、何事もなくって良かった良かった。私たちが、気をつけないといけないんだけど。陸の封じ込め。こちらも新たな手を考えなくては。