佐保川沿いの、桜は散り始めだった。

前から、佐保川沿いの桜並木に、陸を連れて散歩に行こうと決めていた。駐車場が問題なんですが、都合のいいことに、桜並木沿いに奈良県立図書情報館がある。そこに、駐車場があるんです。最初の1時間は無料。あとは、1時間ごとに100円。とってもリーズナブルでしょう。だから、図書館が休みの月曜日はパスして、今日の水曜日に行くことにしました。

3時過ぎくらいに、私たちがパタパタと用意をすると、廊下で伏せしている陸がパタパタと尻尾を振っている。何かを感じているんです。ひょっとして、どこかへ連れて行ってもらえる。そんな期待感があったのでしょうね。妻が、陸を玄関から出すと、勢いよく車の方に行って、ドアを開けるのをうれしそうに待っていたそうな。

そうか、車でのドライブは久しぶりかな。そういえば、1月に陸が捻挫したとき、動物病院に連れて行ったとき以来かも。動物病院は、とっても嫌がりましたが、今日は違いますね。うれしそうです。走る車の窓から、外を見ている。と思ったら、信号で止まったときに、きゅんきゅんと、ワケのわからない声を出す。うれしいんだろうな。家から、1キロほど走ったとき、南の方に、黒い煙の上がっているのが見える。妻は、火事だ、といった。近くじゃなければいいのだけれど、と考えてしまった。だって、近くには知り合いが多いですから。

で、佐保川の桜並木に近づくほど、煙の上がる場所は、遠くなった。結構、南の方なんだ。私たちは、図書館の駐車場に到着した。陸は勢いよく飛び出す。歩き回って、匂い嗅ぎに夢中。いつものことです。佐保川沿いの桜、まだまだきれいです。でも、ちょっと風が吹くと、川の上を花びらが吹雪のように流れていく。うっわ〜、すごくきれい。妻は、この桜吹雪を写真に撮れないのが残念そう。ふと、南の方を見ると、まだ黒い煙が東に流れている。その方角から、サイレンも聞こえる。

陸にとっては、そんなこと関係ないですね。一年ぶりのこの場所。匂いを嗅ぎ廻って、川にもザブンと入って、中学生くらいの男の子たちにも愛想を振りまいていました。ふと、南を見ると、もう黒い煙は出ていなかった。ようやく鎮火したみたいです。また、行こうね、陸。今度は、久しぶりの平城宮跡へ。