ぽちたま番組を、しっかり見つめる陸。


テレビ東京系の動物番組、「ぽちたま」は、今年の3月で終了しましたよね。でも、その再放送かなんかが、衛星放送のBSジャパンで放送されているのです。たまたま、今日の月曜日に放送があった。だって、普通の地上波は番組改編時期で、くだらないバラエティ番組ばかりやっているものだから。こんな時に、BS番組や、ケーブルテレビが見られるのは、いいことですね。本当に、地上波の民放も、もっと見たくなるような番組をやってほしいものです。

で、なぜか、陸がテレビの前にいる。で、私はくだらん民放番組ばかりがあるから、チャンネルを変えていいかと妻に聞く。いいよ、という妻の声で、私はBSの「ぽちたま」にチャンネルを変えた。すると、陸が食い入るようにテレビを見はじめた。最初は、頭をあげてテレビをしっかりと見ている。テレビに登場するのは猫ばかりなのに。しばらくすると、頭をどっかと座布団の上にのっけた。でも、目はしっかりとテレビの画面を見ている。ふ〜ん、こんなにテレビに見入る陸を見たのは初めて。今までも、金曜日の7時からはぽちたまはありました。でも、そんなに陸は関心を持たなかった。今日はしっかり見ています。どうしてだろう。友達がほしいのかな。

思い当たるのは、夕方の陸との散歩です。途中の、とある四つ角に差し掛かると、陸は必ず立ち止まる。北の方から、その場所に降りてくるのですが、立ち止まって東を見る。西を見る。そして、西の方にのぼっていく、50メートルほど歩いて立ち止まる。来た方向を振り返る。その方向に人影とかが見えたら、そちらにカラダを向けじっと見つめる。で、来た道を逆戻りする。また、その四つ角で立ち止まる。北の道路を見る。次に南の道路を見る。また、今来た西の道を振り返る。しょうがなく、北の道へ歩き出す。20メートルほど歩いたら、何を思ったのか、またさっきの四つ角に戻っていく。これの繰り返し。

きっと、陸の頭の中にイメージした友達が、道の彼方から歩いてくるのを待っているのだろうな。だから、急にテレビのぽちたまをしっかり見だしたのも、イメージした友達が、もしかしたら登場するかもしれない。そんな期待が、陸にはあるのかもしれない。やっぱり、陸も友達がほしいのだろうな。友達以上の、友達。人間だったら、そういう友達が、一緒にいる。私たちのように。陸の寂しそうな顔を見るたび、そんなことを考えてしまう。陸だって人間じゃなくて、生きている種族だから。


不況でも高卒就職率100%の工業高校。
2008年のリーマンショック以来の不況にもかかわらず、この数年、就職率100%を誇る高校がある。昨日の朝日新聞に、そんな書き出しで始まる記事がありました。その高校は、奈良県立王寺工業高校。来春卒業予定206人のうち163人が就職を希望する。これに対して8月23日時点で求人票が来ている県内外の企業は341社もあるそうだ。その中にトヨタ、シャープ、JR西日本など、大企業も含まれているという。で、ここ数年は毎年就職率が100%。今は、大卒の就職ばかりでなく、高卒の就職も大変な時代に、100%というのは並大抵の数字ではないはず。

この秘密は、やっぱり教育らしい。特に3年間で1つのことをやり通したという部活動が魅力になっているという。そんなわけで、エコバイク作り、発電用風車作りなど、ものづくりの分野での部活動が、王寺工業高校では活発だという。そしてこの高校では挨拶を含めた礼儀正しさも入学時から徹底して指導している。おかげで訪れる企業の求人担当者も、好印象を受けて帰るらしい。なるほどねえ。お馬鹿な、大学生より、よほど社会人として通用しそうですね。

大学生とこの高校生を比較してみると、就職のために大学や高校に通っていることは共通している。しかし、この高校生たちはしっかりと就職を意識してどんな仕事をやりたいのかを部活動や授業を通じて見いだしている。それに対して、大学生はどんな仕事になるかもわからない企業ばかりを見て就職活動を行っているから、じゃ〜どんな仕事ができますか。と聞かれたときに、答えようがないんじゃないかな。理科系なら、研究とかに近い仕事をしたい、と答えればいいだろうけど。

でも、就職をしっかり見据えて、3年間を過ごす高校生は、え・ら・い。何の目的もなく、ただ就職のために大学に行く学生とは大違い。人間性や働く意欲でも、この高校生を越えられる大学生がどれほどいるかというと、少ないだろうな。仕事を目指しているんじゃなく、企業を目指しているんだからね。だから3年で辞めてしまう大卒社員も多いんだろうな。かつては35%といわれていたけど、今は何%くらいだろうか。高校で就職がないから大学に行くようじゃ、一生を棒に振るだろうな。とにかく、かんばれ王寺工業高校の生徒さん。ほかの他府県も、こんな高校生を育てて社会に送り出しなさいね。