3年目の、池田含香堂の団扇。


2年前の7月に、奈良市街の三条通にある池田含香堂で買った奈良団扇です。私たちが買い求めたのは、手漉き和紙に鹿とモミジを透かし彫りにしたシンプルな図柄。日本の団扇って、柿渋で染めたのが多いんだけど、柿渋はちょっと暑苦しいのかも。

奈良団扇は、なにより軽くって、団扇の面全体が紙で覆ってるから丈夫なんです。よく竹の柄に近い方が紙で覆っていないものがあるけど、扇いでいるうちに竹が折れてしまうんだよね。だからその点、奈良団扇はその部分も紙で覆ってあるから安心。この団扇は2100円。高いといえば、確かに値段は高い。もっと複雑な天平模様が全面に施してあるものは、数倍高いのだから。ま、普段使いをするならこれで十分。ほら21年間使えば、1年につき100円だから、安いものです。よく広告の入ったプラスティック骨の団扇があるけど、持ちやすさや使いやすさは断然違いますよ。

奈良団扇は、柄が丸い棒状なのがいいね。クルクルと回せるから。板状だとそうはいかぬ。大事に使って3年目の夏。あと18年使うぞ〜。プラスティックの広告団扇もあるけど、やっぱり重いね。奈良団扇は軽い、軽い。風が気持ちいい。



大阪2幼児虐待死、まず隣人を知れ。
都会でのマンションやアパートでは、隣人に対して無関心であることが多い。私も東京の杉並区で20年間アパートで暮らした。私はかなり古株になったが、隣人とのコミュニケーションは皆無だった。ま、その方が、気楽な独身暮らしの私にとっては、快適ではあったのだが。でも、たまに住民とばったり出くわすことがある。おはようございますとか、こんにちはとか、挨拶を交わすのだが。ある時、隣りに新しい隣人が引っ越してきた。普通なら、隣りに引っ越してきた○○ですが、よろしくお願いします。と、挨拶くらいあるものだ。ところが、その隣人はなんの挨拶もない。ま、それはそれでいいのだが。で、あるとき、ばったりと隣人と出会った。私は、こんにちは、と言葉をかけた。しかし、その男性は、その言葉を無視して無言で去っていった。変なやつ。アパートの裏は大家さんの家で、大家さんとはよく話をするので、ま、その男性もあやしい人物ではないようだ。20年そのアパートで過ごしたが、なんの事件も起こらずに平和で過ごせた。しかし後で振り返って思うが、回覧板のようなものが、まるでなかった。

そのアパートから、近くのマンションに引っ越した。3階建ての6戸である。しかし、小さいながらもさすがマンション。家族で住んでいる人が多いので、出逢ったりすると必ず挨拶をする。隣人とも、もちろんだ。しかし、ここでも回覧板はない。妻と暮らすようになって、大分の一軒家に、借家だが引っ越した。すると、町内会の集いやら、月に2度は回覧板が回ってくる。隣人から我が家で受け取り、名前欄にサインをして、さらに反対側の隣人宅に届けるのである。このようにしていると、隣人などの為人がわかって安心して暮らすことがでする。生まれ故郷の奈良で、今は暮らしているが、ここでも回覧板が廻ってきて、隣人とのコミュニケーションに一役買っているのだ。

さて、大阪2幼児虐待死を振り返ってみよう。マンションだから、当然隣人はいるはず。階上にも階下にも人は住んでいるはず。結論を言えば、まったくコミュニケーシャンがなかったのではないか。プライバシーも大切だが、その部屋はどんな家族が住んでいるのか、知っておくことも大切だろう。それこそ、マンションならば、管理人はいたのか。住民同士の自治体のような、管理組合は存在したのか。この2幼児虐待死で、大阪市には電話が殺到しているそうな。これからは、自治体もマンションの管理に対して、法制化するべき必要があるんじゃないか。虐待は、マンションなどの集合住宅で行われていることが多いから。マンションやアパート暮らしの皆さん。あなたは、隣人とコミュニケションはありますか。その集合住宅には、どんな人が住んでいるか把握していますか。無関心でいると、思わぬ落とし穴があるものです。昔の長屋って、みんなが顔見知りで親しくって、支え合って生きていたから。