どこの大学か知らないが、千里金蘭大学のニュース。

千里金蘭大学の募集停止した学部の専任教員が全員解雇されるというニュースが新聞にあった。ま、企業でいうなら、工場部門の閉鎖で生産部署だけが全員解雇ってことだろう。製造という分野の人間はもう必要ないので辞めてください、ということ。この大学も、募集停止した学部の人員も不要になるから当然のことだ。この大学は2003年に開学したという。ちょうど全国に私立大学が続々誕生した、大学バブルの最盛期ですね。高校の卒業生がどんどん大学に行きだして、大学を設置すれば儲かると踏んだ学校法人の哀れな末路だと思う。

ところで、この大学は、まだ生活科学部と看護学部が残っているという。生活科学部って、どういう学問をするかは知りませんが、いろんな名称の学部ができたもんだ。昔は文系ならば、文学部、経済学部、経営学部または商学部、法学部、教育学部家政学部。理系なら、工学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部獣医学部、くらいの分類だったのに。ま、生活科学部ってのは家政学部だね。で、看護学部って、つまりは看護師さんを養成するんですよね。昔は、看護学校ってのがあって、女性の人が看護婦になるための教育機関だったはず。ところが、男女の雇用機会均等法があって、看護婦が看護師になり、男の看護師も出てきたわけだ。これはこれでいいんだけど。その養成期間が、看護学校から大学の看護学部になってしまった。これって、大学になるとけっこうお金が必要になるのじゃないかい。

要は看護師の専門学校で、そんなにお金を掛けずに熱意だけで看護師になれたのに、今は数百万円の膨大な授業料を払いながら看護師になる。だから、大学にして看護師を養成すれば、高い授業料を取れるので学校法人は儲かる。そんなことに、なっているような気がする。上がり続ける私大の初年度納付金という問題がある。主な学部別(昼間部)に学生一人当たりの初年度学生納付金の平均額を見ると、「文・教育」118万6,885円(前年度比0.2%増)、「法・商・経」113万295円(同0.3%増)、「理・工」140万6,590円(同0.4%増)。看護学部系の私立大学は、どれくらいお金が掛かるかわからないが、理工学部よりは高いだろうね。千里金蘭大学看護学部は初年度納入金は190万円。たったったっ高すぎる〜。こりゃ、儲かるはずだ。

とにかく私立大学は過剰気味で、定員割れや経営赤字のところが半数以上あるという。そういえば、学生募集の停止というニュースは聞かないけれど、いずれ出てくるでしょうね。あとは外国人留学生集めに必死になっているのかもしれない。レベルの低い大学が、生き残るためには、優秀な生徒を集めればいいんです。優秀な生徒をタダで入学させたらいいのです。優秀な生徒がいれば、他の生徒のレベルも引き上げることもできる。そんなことができるかな。いや、しないとお馬鹿大学は生き残れない。