いいかげんに、しなさいや。


昨年の桜、母は老人介護施設の窓から見たはず。窓から見える100メートル先に川があり、その両岸に桜並木がある。きれいやな。花を見れば、母は必ずそう答える。どの花も、母は好きだから。昨日、行ったお寺でも、早くも桜が数輪咲いていた。

37年前になるだろうか、ちょうどこの季節、正確には3月の終わり頃だった。20歳だった私は2年の浪人生活を終えたときだった。この年は、一応2校は合格した。その前年も1校だけ合格していたので、入学金と前期授業料を支払い、大学には行かずに予備校に通っていた。ま、入学金と前期授業料を合わせても1万円と安かったから。

で、2浪の成果は合格2校。しかし第一志望にはかなわず、まだまだ気持ち的にはスッキリしなかった。で、2校のうち安い方の大学にお金を支払った。年間の授業料は1万5000円だった。

3月の末は、私が通った予備校の最終選抜試験がある。で、それが気になって、母に聞いた。もう一年浪人したいんだけれど。と言ったと思う。母から返ってきた返事は、いいかげんにしなさいや、だった。私は諦めて、2校目の大学に行った。ちょうど桜が咲いている季節だった。

今から考えれば、愚かなことですよね。私が受かったということは、誰かを落としていることなんだから。今年もそういう季節が来ました。桜並木の下を、母たちと歩きたかったが、今はそれもかなわぬこと。今日は10カ月目の命日。早いもので、もう桜咲く春が巡っている。


今頃、学生募集の新聞広告を出す大学がある。
昨日、3月21日の新聞に学生募集の広告が載っていた。国公立でさえ、合格発表が済んでいるはずなのに。この私立大学は、きっと定員が確保できなかったんだ。だから新聞広告を出すんですね。

2年前でしたっけ、定員割れの私立大学が47%だったということです。定員割れの大学は2008年5月現在で266校に登ります。ま、主に都市部の大学は定員を満たしているが、地方の大学は定員割れが多いんですね。

ちなみに、新聞広告を出している大学は、都市部の4年制私立大学でした。今年度は、高卒の就職難もあって、大学に進学する人も多いでしょう。一方で、大学生の学力レベルの低下が著しいといわれている。そりゃ〜、ろくろく試験もない、定員割れの大学だったら、おのずとレベルは知れていますよね。

やはりどうせ大学に行くのなら、レベルの高い大学に行くべき。レベル高い中で競い合って勉強することで、さらにレベルが高まります。自分自身のレベルが、届かなかったらとっととあきらめるべし。定員割れが続くような大学は、いずれ閉校に追い込まれるでしょうから。

今頃、新聞広告を出す大学は、どうなるんでしょうか。後何年、持つのかな。昨年は確か学生募集停止を発表した大学が5校ありました。今年は、募集停止をする大学が何校出るでしょうか。なんにせよ、大学の数を増やしすぎましたから。ショウもない大学にいっちゃダメですよ。就職で苦労しますから。閉校したら、もっとみっともないでしょ。