あれから14年、阪神淡路大震災。

もうあれから、14年が経つのですね。長年東京に住んでいた私は、テレビのニュースで地震の発生を知った。ニュース映像は、空からの神戸市内の撮影。目をこらすと何本もの黒い煙が立ち上っている。火事だ。

さらにその空中映像の画面の中に、ヘリコプターが数機映っている。テレビや新聞の取材合戦だろう。燃えています。燃えていますと、レポーターの絶叫だけが画面から聞こえる。そこで私はテレビを消した。それ以上、見るに堪えられなかった。

後日の映像で、長田の下町が丸焼けになっている写真があった。私が学生時代によくアルバイトをした街だ。学生時代の同窓生には、自宅が損壊したり、マンションに住めなくなったものが数名いたが、とにかくみんなは無事だった。

当時は、インターネットも携帯電話もなく、一般電話以外の通信手段はニフティサーブによるパソコン通信だった。それで、数人とは連絡をとった。むろん地震直後は、電話など繋がらなかった。東京から奈良の実家に連絡が取れたのは夜だった。奈良は無事だった。

今日もヘリは飛んでいる。大震災当時は取材ヘリコプターの爆音によって、救いを求める人の声が、どれほどかき消されたことか。救助よりも取材を優先するマスコミを許せない。空からの爆音はただ人の心に不安をかき立てるだけ。被害者、被災者を題材にして視聴率や新聞売上げを稼ぐマスコミは、ハイエナ以下の輩かもしれない。