早くも新サンマ、食卓に登場。

新サンマ登場

妻が、大根おろしをお願い、と私に差し出す。卵焼きでもあるまいに。なんだ、なんだ、ひょっとして、あれかな、という期待が脳裏によぎる。キッチンから、あの香ばしい匂いが流れてくる。サンマです。ちょっと早いような気がしないでもが。

テーブルに焼き上がったサンマが運ばれたきた。少しスリムな感じ。妻は、スーパーいそかわに、新サンマがあったので買ってきたという。まだ、早いが、旨そうだ。

私はサンマの胴体に箸で切れ目を入れ、どっさり摺り下ろした大根おろしを、降り積もった雪のようにこんもりと乗せていく。大根おろしのエキスが、サンマの身の中にじんわり染みているのが私は好き。その上から、ドッと醤油を掛ける。妻は、サンマが盛られた皿の隅に、大根おろしをそっと盛って醤油を掛ける。人それぞれ。

口に入れる。大根の辛さと相まってサンマが旨い。秋のサンマほど脂ののりは多くない。むしろこれくらいの方が、油っこくなく、いいかもしれぬ。大根は、大和路へぐり道の駅で買ったもの。大根は、首より細い根の方が辛みが強いと、妻が言う。なるほど、辛い大根は秋刀魚に良く合う。東京にいた頃は、小振りの辛み大根があるときだけ、サンマを買ったものだった。

これから、いよいよ真夏へ、2週間後は土用丑の日。得体のしれないウナギの蒲焼きよりは、新サンマの方が素性というか、出所の漁場もしっかりとわかり、安心して食べられる。ましてや病原菌予防の薬や、抗生物質も使っているはずもなく、大海原で泳いでいた活きのいいサンマ。秋でなくても、旨いはずだ。そういえば、サンマの蒲焼きだってある。サンマも、捨てたもんじゃない。