高台から見る大阪平野に、ビルの林。

大阪平野

近鉄電車の奈良線は、奈良側から生駒山のトンネルを通って、大阪へでる。トンネルの出口に石切駅がある、そこを過ぎると、家々の間から大阪平野が望める。遠方に幾つものビル群が見えるダイナミックな景色だ。電車は生駒山の裾野をしばらく南へ走りながら、高さを段々と下げていく。

やがて電車は平野に沈み、向きを西へと変え、民家とほぼ同じ高さで走る続ける。いつも思うけど地に降りたった感触だ。そして久しぶりの感触だ。かつて大阪へ通勤したとき、そんな感じだったと思う。

30年ほど前は、何度もこの車窓の景色を見ていたはず。今、目に付くのは、びっくりするほどビルの多いこと。もはや大阪城が、どこにあるのかもわからない。味気なくなったなー。

ビルは、どれほどの人を飲み続けているのだろうか。東京も同様に、大都会だけが膨らんでいる。いったい都会の魅力って何なんだろう。人を引きつけるものは、何。などと。

その日、大阪は暑かった。大都会だけが、暑く、熱く、分厚くなっているような。東京、大分、奈良と移って、もう東京だけは住みたくないと、思うのだが。奈良へ戻ると、これが涼しい。ひと山越えるだけでこんなに違うのかと。