なら町で買った、団扇。

奈良町団扇

去年も大分で、買おう買おうと言っていた団扇。でも、なんかピンと来るものがなくって、買えずじまい。去年の夏は、プラスチックの芯の、イベントPR用の団扇で済ませてしまった。

その団扇、ペランペランとして、なんだか頼りない。まあ、タダだからいいっか。今年は、ちゃんとした団扇を買おうねと。で、奈良市立中央図書館からの帰りに、その近隣を妻と歩いてみる。木造の瓦屋根、格子戸。古い佇まいの家屋、古い商店、新しいショップがひしめきあって、しゃれた作りの雑貨屋さんが幾つも。歩いているうちに妻の目が、段々と輝いてくる。

ウインドーに素焼きの猫。陶製のふくろう。置物に混じって暮らしの器も。妻は中に入る。陶器のお店。暮らしに使う器たちが、静かに自己主張している。ショールなどの羽織ものも。聞けば、陶芸や染と織の作家たちの作品とか。妻は、バッグを手にしたが、いまいちピンと来るものがなかった、と。

店を出て、さらに通りを歩く。この辺りは奈良町と呼ぶらしいんだけど、そんな呼び名、昔はなかったぞ。遠くに、筒状になったカラフルな和紙が店先に見える。やはり妻は、その店に。おっ、団扇がある。私も、遠目に見て直感、これいいかもしれない。

店内は、和紙、ギフトカード、ラッピングなどなど。多分20〜30分かかるだろうな所要時間、妻は。いろいろ店内を見たあと、団扇を2つだけ買った。店で手にした感覚も良かったのだが、家で使うと確かに良い。長さ41.5センチ、柄の部分が19.5センチ。幅は22センチ。柄の長いから持ちやすい。うちわの重心が、紙のほとんど下部分になる。扇ぎやすい。しっかりと風がくる。柄の竹を小さく裂いて、面の骨とし、糸を通して固定している。昔の団扇って、確かこんな竹だったものだ。