19日、底冷えする東京都心。

寒い丸の内

暖かな寝台列車から、東京駅のホームに降りるとゾクッとするほど寒かった。丸の内側の中央改札を出る。駅舎の廻りは工事用の囲まれている。改修と補修工事のようだ。そりゃ、この駅舎は古いですからね。

駅舎を抜け、空を見上げるとすっきりと晴れ渡っている。真正面の右に、昨年完成した新丸ビル。その左には、6年前に完成した丸ビル。この新しい2つのビル、正式名称は、ビルヂングではなく、ビルディングになっている。三菱系のビルは、ほとんどがビルヂング、という名前がついている。変なの、と昔は思ったものだ。

新しいビルの名称は、丸の内ビルディング新丸の内ビルディングになったようだ。ま、それが普通の響きでしょう。いまだに、ヂ、にこだわるのは、ブリヂストンの、くらいのものだ。大きなお世話だろうけど。

その丸の内のビル街へ入っていく。通りを、というか歩道を歩く。天気はいいのに、ビル風が強く寒い。なんだか底冷えがするように寒いのだ。この辺りは、ほとんどが高層ビルに建て替えられて、歩道までは光が届かないのだ。まるで深い谷だ。見上げると、ビルの上層部だけは光が当たっている。

冬が寒いのは当たり前だが、それに加えビルの外観の冷たさが、さらに歩道の敷石やアスファルトからも冷気がこみ上げているようだ。無表情の冷たさ、冷徹な寒さ、それでもその大きな箱の中に人はうごめいている。真夏は反対に、ヒートアイランドで、クワッとする灼熱地獄だろうに。それが東京の、丸の内なのだ。なんと冷え冷えする街並みだろうか。ビジネスには、ちょうどいいのかも。