犬の陸君の、すごい下痢。日曜日。

私たちが奈良から帰り、ペットホテルから陸を引き取って、金曜日、土曜日は何事もなく、日曜日の出来事だった。この日は朝から雨が降っていて、妻の散歩は、通常より短かった。帰ってきた妻は、陸の、んこが取れないくらい柔らかかったと言う。

その後、陸は、午後2時くらいにも外に出たそうな素振りを示す。雨の中、妻が行く。やはり柔らかかった、と。午後5時は通常の散歩、私と1時間くらい歩いたが、んこのそぶりもなかった。ん、変だな。それからが大変。夜の9時。それまでリビングのベッドで寝ていた陸が起き出して、突然床に降りてきてお尻とというか、排泄場所を舐め出す。こりゃーやばい。どうしたの、と陸に聞くが、何も言わない。でも、目では何かを訴えている。じゃー行ってくるねと、玄関から陸と飛び出す。直ぐ目の前の私たちの車が置いてある駐車場の、雑草が生えている場所でもよおした。ブッピー、激しい音が鳴る。我慢していたんだ。

思い起こせば、2カ月くらい前、夜の11時くらいだが、陸が突然部屋を行ったり来たりして、最後は納屋の出口の引き戸を盛んにガリガリ引っ掻きながら開けようとしていたことがある。この時は、直ぐに、陸を連れ出して、やはり私たちの駐車場でブッピーとやったものだった。

この日曜日は、夜の12時過ぎにも。さらに午前4時前だろうか、また陸はもそもそと動き出した。玄関から飛び出す。陸は焦っているかのように走る走る。私も真夜中のダッシュ。近所の畑のかなり奥の方で、激しく動き、位置を決めるともどかしく焦りながら、した。またも、プピーと闇の中で空しく響く。ちょうど雨は上がっていた。こんな時間に犬を連れて散歩する人など、誰もいない。昼間はひっきりなしに車が通過する県道脇へ、陸に引っ張られて出た。近所の民家はすっかりと寝静まって静か。

また陸が、んこをする場所を求めて走る、その足音だけが、私の耳に届く。タッシタッシ、タッシタッシ。そして、雑草だらけの場所へガサガサ、ガサガサ。陸が構えたと思うと、ブピー。お腹が痛いんだろうな。よしよし、気を紛らわせるためにも、ちょっと走ろうか。県道脇の歩道は、たまに通過する車のライトで、足元はなんとか見える。歩いたり、走ったり、ようやく陸は落ち着いた様子だ。家へ戻った。もう4時をとうに過ぎている。そして、私は寝た。陸も寝ただろう。明日というか、今日の様子を見て。