祭寿司、登場。旨かった。

祭寿司

半年ぶりに、妻は飯台を取り出して、いよいよ祭ずしに取りかかるとか。6月頃に作ったじゃん、と私。あれは、鮭のちらし寿司で、祭寿司とは違うの、と妻が。岡山名物の祭寿司は、学生時代に岡山の駅弁として食べたことがある。華やかなちらし寿司で、旨かった。もう30年以上も前だけど。

さて妻は、モガイに味付けたり、レンコンを酢に浸したりと、下ごしらえが大変そう。エビを剥き始めると殿ちゃんがテーブルに駆け上る。おこぼれを待ってると思いきや、エビの固まりに顔を突っ込んだ。こうなると少々じゃ逃げない。妻はしょうがなく何匹かを差し出す。殿ちゃん、ぱくつく。そんな妨害にもめげず、妻の作業は続く。

炊きあがったあつあつご飯を飯台に移し、団扇であおぎながら酢飯作り。酢は薄目にしたという。その方が、具材の味がしっかりとわかるから。具材もすべて味付けが違う。しいたけは、甘辛目。もがいは、ちょっと味が薄めだとか。妻の具材は、さらに、ごぼう、人参、穴子、たこ、錦糸玉子など。頃合いの酢魚がない、と妻は残念がっていたが、これでも十分ではないか。まだ本来は、高野豆腐、干瓢を入れるのだと。

岡山の矢掛ではお祭りになると、どの家庭でも、祭寿司を作るとか。家々によって具材や味付けが異なり、それは千差万別。各家庭から自慢の寿司を持ち寄って、味の品定めがおこなわれるとか。年配の方が作ったものに、人気が集まるらしい。やっぱり、おばあちゃんの味ですね。長年作り続けている人には、しっかりした味のテイストがあるし、親しみや懐かしさを超えた、やさしいおいしさがあるものだから。

妻のがいよいよ完成。最後に、きぬさやえんどうを青みに。紅生姜を散らして盛りつけ完了。この生姜は用作公園で買ったもの。取り皿に移して、いっただっきま〜す。蓮根もえんどうもサクサク、椎茸じんわり。モガイも旨い。確かに、飯の酢を抑えた分、それぞれの具材の味がよくわかる。食える食えるで、しこたま食った。旨かった〜。ん、横の陸君が動かない。こちらを恨めしそうに見て。まだまだ、たっぷり残っている祭寿司、少しよそってやると、がつがつ食べた。そうか、混ぜご飯は大好きだった。おまけに嫌いなネギ類は入っていないし。私たちも、陸君も、たらふくの食事であった。殿ちゃんはエビに穴子をいっぱい食べたでしょ。