海と陸君。

海と陸君

陸君を久しぶりに車でお散歩に。場所はどこに。一度、海沿いに行ってみようということで。大分から別府へ向かう海沿いの道路、国道10号線の直ぐ横にある田ノ浦ビーチへ。陸君は、海が、初めての経験。さてどうなりますか。

駐車場に止めて、車から出るなり周辺の臭い嗅ぎへと。引っ張る、引っ張る。ま、これは、いつものことで。いよいよ、浜辺へと。砂浜を歩きながら、海へ近づいていく。少しずつ陸の腰が落ちている。いわゆるへっぴり腰。波打ち際へ、といってもほとんど波もなく、でかい水たまり状態。ぎりぎりまで近づくと、いきなり座り込んだ。もう動かないぞと。怖いんだ。弱虫ーと、妻が陸君に言う。さらに、引っ張ると、今度は反転、海から逃げる逃げる。

ま、ちょっと落ち着かせて、砂浜を一巡り。船の形をした遊具なんかがあって、子供連れの親子が滑り台などで遊んでいる。のどかな海浜公園です。滑り台が大嫌いな陸君は、遊具をシカトする。そして、再び浜辺へ誘導しながら、今度は、妻がリードを持つ。浜辺の赤潮が切れた場所に来ると、ざぶざぶと入った。やっぱり、と妻が言った。寒いのに、おまけに海水まで飲んでる。陸は、海は初めてだから、海水がしょっぱいなんて知らなかったでしょうに。川か池と勘違いしているような。

人工島を一巡り。海はとても穏やか。砂浜もあるから、ウインドサーフィンには絶好の場所でしょうね、などと。陸君は、柵の間から、海を眺め渡す。ね、海はおおきいでしょ。初めての海、感想は。などには答えず、またまた臭いを嗅ぎ回る。突然、陸君は立ち止まる。前方に小さな黒い影。猫です。猛然と、ダッシュするが、彼らは蜘蛛の子を散らすように、波消しブロックの中に消えてしまった。せっかく、日向ぼっこしてるのにね。妻が、陸君用のビーフジャーキーを置くと、姿を現した。これは、猫の殿ちゃんでさえ食べないのに。横に、猫に餌をやらないでくださいの看板。ま、いいか。陸君を上目使いで警戒しながら、ただただ食べる。腹が減っているんだ。ま、いいか。

さて、陸君、しっこも散々したし、やっと、んこもした。私たちもレストハウスで用をたして、帰りましょうか。別府の方を見やると、短い白い煙がいくつも立ち上っている。鉄輪温泉辺りでしょうか。いつ見ても、やんわりと温かみを感じるいい風景です。もっと寒くなったら、日帰りで温泉にでも寄ってみましょうか。陸君は、お風呂が嫌いだもんね。うーん、露天風呂なら、ざばざばと入るかも。陸君の車内での息は荒かった。よほど楽しかったのでしょうね。こんどは、どこへ連れて行きましょうか。