28日新宿、またビルが建築中。

新宿新ビル

うわー、携帯電話のバッテリーがもうない。上野のビジネスホテルを後にして、駅に向かう。今日は、歩道橋を通りません。だって、あまりにもむなしいもの。それは、2日のブログ、上野の朝を迎える、をご参考に。

新宿に用事があるついでに、そっちでauショップでも探して充電するかと。これが大きな間違いだった。東京駅構内のコインローカーに荷物を放り込んで。へえー、鍵のないロッカーがあるのですね。おまけにスイカも使える。暗証番号を登録して、出すときにそれを入力しているみたい。でも誰かがそれを使っていたけど、受取のようなプリントした紙を見ながら、すったもんだしながらやっていた。やっぱり鍵の方が、わかりやすそう。で、用事ついでに新宿に向かう。

都庁のある西口の方に降りて、auショップを探す。銀行なら、どこにあるかは知っているけど、携帯となると、ま、簡単に見つかるだろうと。だって、auは上野の通り道にあったし、豊洲にも看板があった。それが大きな間違いだった。新宿の高層ビル街、ここも看板がない。ビルに入ってショップを探すがない。次のビルで、店内図をみる、ここもない。結局、かつての行きつけのビックカメラで充電してしまった。20分100円のコイン充電器。上野に戻った方が、早かったなー。地上の西口喫煙場所でタバコを吸いながら、ビル街を仰ぎ見るとまたひとつ高層ビルが建築中。東京はダイナミックだ。

用事も済ませて、東京駅に戻る。まだ寝台列車の時間には、1時間ほど。ちょっと山手線で南へ下る。浜松町でクレーンが見える。芝浦の方のマンション工事か。田町でも、クレーンは一つだけ。品川でも一つ。もうこの辺りは、作り尽くしたか。それぞれのターミナルを起点に大変貌が行われる都市、それが東京。新宿の高層ビル街はもう昔の話だが、東側においても、秋葉原、東京・丸の内、有楽町、新橋・汐留、品川、大崎。山手線沿線で、こんなにあるんだから、東京は人を飲み込むパワーが満ちている。

でも、この大きな都市。なにかが足りない。何かを失っている。だから、私は東京を去ったのだ。


さよなら、東京、お元気で。

それにしても28日の東京は暑かった。最高気温32度の真夏日だったそうな。このほとんどが人が作り出した暑さ、なんだろうな。その2日後は最高気温が18.7度。よかったその前に帰って。2日後も私のウエアリングでは風邪をひいたことだろう。極端な気候ですね。

今回の東京行きで、時間つぶしのために持参した本がある。池波正太郎さんによる、男のリズム、というエッセイ集だ。その中で、述べられている。情緒をうしなった町は、廃墟、にすぎない。さらに。四季のない町は、日本の町ではない。と。戦後復興から、東京という町を見てきた、作家ならではの言葉だと思う。90年にお亡くなりになっているから、今の東京を見れば、なんとおっしゃるか。おそらく、誉め言葉は、でまい。

日本の町とは、町で暮らす人の営みは、など、おもわず考えさせられてしまう。もう、納豆売りや金魚売りの声が街に響く時代でもないけど。長屋の路地で、団扇片手の縁台将棋も、ついぞ見かけたことがない。新しく誕生するも街に、はたして四季や情緒があるんでしょうか。豊洲のホームセンター、花や鉢のコーナーがあり、秋の花々が整然と並ぶ。四季は確かにここにある。これがマンションのベランダなどに飾られて、小さい秋って、なんだかわびしいね。

東京は緑も多いし、公園も至る所にある。もちろん四季の移ろいは、これらからも感じ取れる。自然の変化だけでなく、人々の暮らし向きから湧き出る風情の中にも、四季はあってしかるべき。確かに季節の情緒を伝える、祭、市、花火も、毎年滞りなく行われている。

国際都市、東京というけど、多様な人種が集まりすぎたんだね。その結果、東京は、荒れて、いるのだ。東京は、もはや日本の町ではない。帰りの列車で、下段にいた乗客も東京への出張帰り。大手レストランチェーンの研修のために、年に数度の東京出張があるという。東京は人を飲み込みすぎだよね。世界から、アジアからだって、東京に集まるんだものね。ま、いいか。オリンピック誘致、がんばってくださいね。私にとっては、26年暮らした町だから。