穂紫蘇の、てんぷら。

ほじその天ぷら

妻が、これなんだかわかる。とある野菜袋を目の前にぶら下げて私に聞く。見たことは、ある。軸のまわりに粒々のある、ちょっと苦いの。そう、刺身料理の時に、わさびや大根、海藻なんかと並んで出ている、あの刺身のつま。が、袋にいっぱいだった。

よく見かけるけど、名前は知らなかった。ほ・じ・そ、と妻は言う。そうか、紫蘇の仲間か。妻の故郷では、ご近所にふんだんに生えている、じゃなくて、作っている人がいて、分けてもらっていたようだ。

そして、穂紫蘇があれば天ぷら、と決めていたようで、それが昨夜のメイン料理。軸は食べられないので、周りの花の部分を口の中でこそげる。

じんわりと、渋みのようなものが口の中に残る。さすが、薬味に使われるだけあって、その渋みがじんわりとカラダに浸みて、浄化されているって感じ。てんぷらって、いいですね、旬の物を味わうには。

つゆには例の大根おろしをしこたま放り込んで、生姜もちょびっと。妻とも話したんだけど、料理屋に出てくるてんぷら料理のつゆ、大根おろしがほんのちょっとしか入ってないよね、と。絶対物足りないよね、と。我が家だから、たっぷり思う存分。おろしは今日も辛い、とっても旨い。