妻が持ってきた、お菓子のレシピ本。

お菓子の本

妻が持ってきた、古くさーい、ボロボロになった、お菓子とパンの百科、という本。いくつかの附箋が貼ってあって、そのメニューにトライした名残だろう。

表紙の隅っこを見ると、かろうじて昭和58年発刊と読める。今から24年前だ。その当時は私が東京へ出てから、ちょうど2年を過ぎた30歳くらい頃。妻は、岡山で小さな子供たちに、この本を見ながらおやつでも作っていたのだろうか。

昭和58年の東京。確か東京ディズニーランドが開園した年だ。このあたりから郊外の私鉄やJRと地下鉄の相互乗り入れが多くなって、電車での利便性が向上した。同時に、2年ごとのアパート更新も、少しずつ家賃が値上がった。

つまりバブルの兆しが始まっていたのだ。そこからの日本全国は、だれもが知っている通り。今の東京も、その当時となんとなく似ている気がする。特に23区に人が集まりだしたから。不動産も家賃も値上がりし始めているらしいから。

流行がいくら移り変わろうと、料理や菓子の基本は変わることがない。妻は、このお菓子のレシピ本を近くに置いている。パラパラとページをくっているのだろう。今は暑いから、そんなに食も進まないし、妻も積極的に作る気にはならないだろうけど。でもページを捲っているだけでも面白い。昔の本ほど、余計なものがなくシンプルで、説明もすっきりしている。