古梅園の前を通って思う。


二鶴で鰻を食べた帰り道、椿井小学校の角を曲がって、古梅園の前を通る。で、その時、妻が、墨の匂いって気が引き締まるのよ、と言う。古梅園ってのは、習字の時に使う墨を取り扱っている老舗のお店。習字の時、って言ったけど、今時、筆を持って墨で手紙とか、書面をしたためる人っているのかね。でも、妻も、機会があったら習字を習いたいと言っている。私が子どもの頃、小学校に上がるかという年代の子どもは、習字や算盤を習っていることが多かった。私はもちろん習わなかった。嫌いだったからね。でも、今から思えば、漢字の筆順とか、漢字の読み書きが苦手な私は、習っておけばその弱点はある程度、克服できたのではないかと思っている。ま、いまさら、遅いけど。

筆で文字を覚えるって、良かったのかもしれない。ただ、当時、この字を書きなさい、として字を書かされるというか、教えてくれるけど、書きたい字とか、覚えたい字は教えてくれなかったように思った。今でも、そういうのってよくあるよね。たとえばパソコン教室で、教科書に沿って基本的なことは教えてくれるけど、なかなか覚えたいことに到達しないという人がいた。そんなものなんですよ。覚えたいことがあるのなら、やっぱり独学しかないのかも。古梅園の軒下は、ツバメの巣の跡が残っている。今年はもう飛び立ったのかなあ。