父が教えてくれた裏道に、目が点。

今日は、私たちが父の用事で、まだ父とは一緒に出掛けたことがない場所に行った。むろん、その目的地には行ったこともあり、何度かは走っている。でもね、その道って結構混むのです。だから、やだなあ、と。で、父を乗せて出発。いつものように、住宅街の道路を走ります。「父さん、この道を走ってから、大通りに出るからね」と、車を運転しながら私は父に向かって言う。「ええけど、ちょっと待ってや、その場所に来たら、教えるから」と父が。この道をずーっと走ると、信号があって、結構車が詰まっていて、1回の信号では曲がりきれない。だから嫌なんです。走りながら、とある場所に差し掛かると「そこや、そこや。そこを、右に曲がって」と、父が。車が途切れた頃を見計らって右に曲がる。もうそこは、完全な住宅街。しばらく、上り坂を走ると「そこを、左や」と、父が言う。曲がって真っ直ぐ行くと、信号に出た。あれっ、ここは、いつも車が連なる原因となる信号の場所ではないかいな。びっくらこ。車が連なる2つの信号を回避できて、1つの信号で済んだ。時間にして5分以上は短縮できた。

私たちも、奈良に引っ越してきて2年半。街や住宅地の道路をいろいろ走りました。ある程度、道も覚えました。でも、父は2年前の88歳まで、母を乗せて、ずーっと何十年もこの街を走っていたんですね。で、その目的地付近で、「母ちゃんと、そこの店にも食べに来た」。「あそこの店は、あんまりおいしゅうあらへん」などと、父が言う。また、しっかりと母とのことを思い出している。こりゃ、いかん。「父さん、ついたよ〜。さあ、あれ買いにいこ」、と遮るように言った。今は90歳の父、道路情報にしろ、父の経験にしろ、いろいろ教えたもらうというか、学ぶべき事はいっぱいあるのですね。今日は、抜け道1本だったけど。父の頭の中には、道路だけでなく、人生の近道、ビジネスの裏道、生活の横道などなど、いっぱい詰まっているんだろうな。90年分だからね。それを、私たちは少しずつ引き出して、役立つ知識なり、為になる情報なりに、加工しなければならないのですよ。まずは、先人に学ぶ。なんですね。