なんでそんなとこ飛ぶの、海保ヘリ墜落事故。

海上保安庁の5名の方がお亡くなりになったそうです。そして、この事故に対して、海保が情報の様々な隠蔽を行っていたことは、残念のひとこと。そもそも、なんでそんなとこを飛ぶの?という大きな疑問が残る。送電線が見えなかったから。ここに送電線があるぞ、という明確な警告標識がなかったから。という指摘がなされているが。

思い出すのは、平成16年に長野県で信越放送のヘリが送電線に接触して乗員4人が死亡した、その事故だ。その送電線に、昼間傷害標識がなかったことが事故の一因とされている。しかしこれも、なんでそんなとこ飛ぶの?という疑問が湧いてくる。信越放送ヘリの場合は交通事故の取材のためにヘリが飛んだという。地上の事故なのに、なんで空からの取材が必要なのか、という疑問が湧いてくる。

海保ヘリ墜落事故の場合でも、できる限り民間住宅の近くを飛ばないように気をつけていたというが。ヘリの場合は、爆音がすごい。鶏小屋の近くをヘリが通ると、それに驚いた鶏が逃げ回ってショック死したり、卵を踏みつぶしたり、その後は卵の生産も悪くなるという。家畜小屋でも、動物は多大なストレスを受け、牛の乳の出が悪くなったりするものだ。そんなことにお構いなしに、取材だなんだとヘリは飛ぶ。

阪神淡路大震災の時にも、燃え上がる炎や煙を目標に、取材目的のヘリコプターが大挙来襲した。しかし上空の爆音で、救いを求める人の声はかき消され、救助活動に支障が出て、それで命を落とした人もいたことは、誰もが知っている事実なのだ。信越放送取材ヘリ事故は、送電線所有の中部電力に損害賠償を求めているという。人の迷惑を顧みず爆音を響かせて、住宅地や道路に接近し、それで事故っているくせに。救助ヘリの墜落にはむろん同情を寄せるが、取材目的で飛来するヘリの送電線墜落事故には全く同情などできない。なにより、送電線は人の生活を守る貴重なインフラだから。電気がなければ、暮らせていけない。すべての送電線に標識を設置するのに、どれほどの危険が伴うことか。

さて海上保安庁のヘリ墜落は、何を隠そうとしたのか。ま、それはどうでもいいこと。とにかく、送電線は避けて飛ぼうよ。もっと高く飛ぼうよ。ときどき、奈良でも爆音を響かせるヘリコプターが上空を何度も何度も旋回していることがある。とってもうるさい。時には、家がビリビリと振動することがある。うるさいヘリ、早くどこかへ飛んでいけ。さもなくは、落ちてしまえ、と思うことがある。あまりの爆音ではそんな感情もわき起こるのさ。