出逢わなくなったご夫婦と白い犬。


昨年の5月に私たちは、奈良に引っ越してきた。その時から始まった奈良での、陸と夕方の散歩で、陸に対して吠えかかってくる犬が時々いる。白と黒の犬を連れた初老の男性だと思う。タバコを吹かせながら、ゆっくり歩いていた。道の向こうから、黒い犬だけが陸に吠えている。陸は無視して、悠然と歩く。

たまに狭い日で出逢うときは、相手が気を使ってか、路地の見えない場所まで引き下がってくれて待機している。私は、ありがとうございます、と声を掛けて足早に通り過ぎた。

今年に入って、その人が、今度はご夫婦で白い犬だけを連れていた。白い犬は、陸には吠えてこない。私は、聞いてみた。黒いワンちゃん、今日はいないんですね、と。すると、先週に死んだんですよ、と悲しい返事が返ってきた。私は、白い犬に呼びかけた。黒いワンちゃんの分も、頑張って生きなきゃね。ご夫婦も、感じのいい人だった。

その後、出逢ったときは、陸を見て、おとなしい犬やな〜、と感心されたり。陸も撫で撫でされてご満悦。時々、無視して通り過ぎたり。白い犬の匂いを嗅ぎに行ったり、気まぐれな陸。8月には、暑いな〜、がんばって散歩し〜や。などと。

この9月に入ってからご主人と白い犬を、プッツリと見なくなった。散歩の時間帯が合わないのか。いやいや、そんなことはない。ひょっとして、白い犬が・・・。まさか、まだまだ元気だったけれど。それとも引っ越されたのか。考えてみれば私たちだって、大分でそうだったのかもしれない。あのシェパードを連れたご夫婦、見なくなったね。などと思った人もいたりして。私たちは、奈良で陸共々元気にやっていますから。でも、あのご夫婦と白い犬は、どこへいったんだろう。皆さんが、お元気ならそれでいいんだけど。



ガッツポーズが何故いけないのか。朝青龍優勝。
朝青龍が優勝決定戦で白鵬を破った後、派手にガッツポーズをやったらしい。今まで引退だの、稽古しないだの、散々たたかれてよほど悔しかった、その反動でざま〜みろ、オレがいちばん強いのだ、の表現でガッツポーズが出たのは当然です。

相撲には全く興味がない私でも、そのガッツポーズを苦々しく思う相撲協会のお偉方こそ、ざま〜みろ、じゃないでしょうか。私が相撲を全く見なくなったのは、貴乃花が引退してからかな。

だって今の相撲は外国人だらけで、少しも面白くないし、興味も持てない。でもお年寄りにとっては貴重なスポーツ観戦。そんなお年寄りだって、ガッツポーズには拍手したことでしょう。だから堅いことは言いっこなしで、いいじゃありませんか。どうせ私は相撲なんて見ないけど。

大相撲を外国人だらけにして、つまらなくしたのは相撲協会のお偉方なんだから。今や正月の高校駅伝だって、足の速い外国人の高校生を走らせている時代だから。これも変なんだけど。

そんなわけで、千代の富士が活躍したり、貴乃花が強かった頃の大相撲は、確かに面白かった。相撲という感じがした。相撲が、品位ある相撲らしくなるのはもう無理でしょうね。ガッツポーズ以前に、相撲はここまで落ちたかという印象です。

今はお偉方に謝りまくっている朝青龍も、心の中ではきっとこう思っている。俺様がいなければ大相撲はここまで盛り上がらないんだぜ。俺がいてこそ客は喜んでいる。俺様はまだまだ相撲では一番強いのだ。俺を引退に追い込むなんて10年早いんだぜ、と。