妻のクッキー、なんと陸君が食べた。

陸とクッキー

先週のこと、妻が久しぶりに手作りのクッキーを焼いた。突然、何をし始めたかと思ったら、しばらくして香ばしい匂いが部屋に広がり、クッキーだとわかった。

色が何も付いていないのは、バタークッキーとシナモンクッキー。緑色は抹茶で、焦げ茶色はココア。手作りクッキーは、いいものです。誰が何処でどんな材料を使って作ったか、なんて心配はない。まして添加物もない。

焼き上がりのほっかほかなんて、そうそう味わえない。これぞホットケーキです。冷めたら、普通のクッキー。まことにおいしい。

私たちが食べるのを、陸君がじーっと見つめる。盛られた皿をクンクンと嗅いでいる。冗談で、ほら、いいよ、と妻が言った。私は笑って、食べるもんか、と。陸君、顔を伸ばす。なんと、ぱくついた。食べている、バタークッキーを。

抹茶を差し出した。ボロッと口にする、はき出した。ココア、匂いを嗅いだだけで食べない。シナモン、これは食べた。抹茶も、独特の渋みがあり甘さと相まっておいしいんだけで、彼には大人の味がわからないのかも。まだ8才、うんとこさ未成年。後日、妻はまたクッキーを焼いた。今度はバターとシナモンのみで、クルミラム酒に漬けたレーズンを入れ、陸君の分も含めて、多めに焼いた。毎晩、減るのが早い。そうか、陸は妻が食べ過ぎないように、気を遣ってるわけだ。