犬の陸君と、引き戸。

陸と引き戸

殿ちゃんのことを書いたのなら、次は陸君のことを書かねば、平等に、というわけで。私と一緒に暮らして9カ月。朝の散歩は妻が。夕方の散歩は私がと分担して、時間を分け合っている。ワンチンコンチンが旅立って2カ月。できるだけ陸君を寂しがらせないようにしてきたつもりだが、ちょっぴり甘やかせ気味になってきたかのかも。

寒い冬になると、特に妻の後を追っていく。夕食が終わった後、妻はテレビのある部屋に行く。しばらくすると、私たちのベッドの上から、陸はその部屋へと妻を追って移動する。妻の後ろに寝ころんでぬくぬくとしているのだ。

その部屋の引き戸は、時々閉められている。5センチくらいの隙間なら、鼻を突っ込んで顔で開けることができる。私たちのベッドの部屋も格子が入ったガラスの引き戸だ。格子に足を引っかけて開ける。ところがこの部屋が閉まっているときは、部屋の前でずーっと待っている。吠えて呼ぶこともなく、静かに。私たちが気がつくまで。部屋へ入るとき、開けることができないのだ。部屋の中から外に出るときは、脚で戸を開けることができるのに。

そこで、礑と気がついた。陸が開けられる引き戸は、左へ開けるときだけなのだ。玄関の引き戸もそうだ。外へ出るときには、決して足は使わないで鼻を使おうとする。外から帰ったとき、少しだけ隙間を開けてやると、足で引っかけて開けることはできる。しかし右へ引く戸は開けることができない。つまり陸君は、右利きなのか。

シェパードって、ごらんのように寒がりで、寂しがり屋のようでもある。妻の元へ、スムーズに移動できるように、引き戸の右開けを特訓しなければ。今夜はとりあえず、その部屋を閉めておいてもらいましょうか。引き戸の右開け、練習のために。しかし、陸君は戸を開けた後は、閉めてくれないんです。これは、どうしたものかな。